ブラック企業はどう見分ける?

ブラック企業とは、長時間労働や極端なノルマといったコンプライアンス違反に該当する企業を指します。ブラック企業への転職だけは避けたいけど、どうやって見分けるか分からないという方は少なくありません。そこで今回はブラック企業の見分け方をケース別に解説します。

ブラック企業になりやすい業界

例えば飲食や流通といった多くの労働力を必要とする業界です。

いわゆる労働集約型と呼ばれるビジネスモデルでは、労働時間が長くなりがち、競争が厳しく給与が上がりづらいという特色からブラック企業になりやすいといわれています。

また、華やかで一見すると人気が高く志望者が多い業界も人材の入れ替えが激しい傾向にあります。

広告、旅行、出版といった業界は、新卒に選ばれやすい事も特徴です。

ブラック企業の定義とは?

一言にブラック企業と言ってもどこからがブラックなのでしょうか。

厚生労働省でさえブラック企業を明確に定義しているわけではなくあくまでも「ブラック企業の特徴」として掲げているのが下記の3点です。

  • 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
  • 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
  • このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

上記のように具体的に〇〇時間以上の残業だとブラック企業扱いになる、といったように詳しく明記していないことがわかります。

加えて残業時間であれば定義はできるかもしれませんが業種によっては繁忙期もあり、判断が難しい事情もあると考えられます。

またパワハラなどのハラスメントも個人の主観により大きく違ってくるため、こちらも定義するのは難しいでしょう。

アットホームな職場や若手が活躍!などの言葉は要注意

一見すると良い環境に見えますが、実のところは会社の内部を隠している、もしくは過度に表現していることが多いです。

距離が短く意見が通りやすいという言葉も、結局は上司からの一方的な要求が多いというケースも考えられます。

募集要項通りの会社もありますが、不自然に甘い言葉を使っているところは注意が必要です。

労働・残業時間が長い

労働基準法によって定められた法定労働時間は、1日8時間、1週間40時間です。

時間外労働や休日労働が必要な場合、会社は36協定を締結して、労働基準監督署に届け出なければなりません。

届け出がされていない場合や、時間外労働時間の上限である月45時間、年360時間を超過している企業はブラック企業に該当するでしょう。

給与が低いまたは高すぎる

給与が低いからといって、仕事量が少ないとは判断できません。

その一方で、高過ぎる給与にも注意が必要です。

一概にはいえないものの、厳しいノルマをクリアし、基本給にプラスされた成果給を足されるというパターンが考えられるからです。

給与の内訳や、年代別モデル年収が開示されているかどうかを確認しましょう。

残業代についての明記がない

残業代について明記されていない場合は、みなし残業制度をとっている可能性があります。

みなし残業では結果として残業代が増えるケースもあるものの、残業代に関する会社の規定は確認しておくことをおすすめします。

基本給が低めに設定されており、ボーナス額に影響する可能性もあるため、給与や残業に関する事項が明確になっているかどうかは、ブラック企業かどうかを判断する1つの基準にできるでしょう。